My Life

カフェとパリが好きな28歳

失って気づく事

 

忘れられない痛みがある。

 

それにあの時の痛みや思いを

忘れたくないので書き残しておこう。

 

 

数年前、まだ大学生だった頃の話。

 

私は昔から花粉症で

その時も確か5月くらいで

ひどい花粉症に悩まされていた。

 

私は子供の頃から鼻をかむ時に

両鼻で力強く鼻をかむ癖があった。

 

その年は本当に花粉が酷くて

いつもに増して鼻をかんでたと思う。

 

そしたらある日、

片耳がうまく聞こえなくなり

同時に砂嵐みたいな音が

耳から聞こえるようになった。

 

段々とその砂嵐の音は大きくなり

それにつれて強烈な痛みもでてきた。

 

そして2日くらい熱が続いた。

 

ネットで調べたところ中耳炎の症状。

 

中耳炎は鼓膜に膿みが溜まって

激痛が走るらしい。

 

そして、膿みが破裂すると回復に向かうけど

自然に破裂しない場合は

病院で鼓膜を切って膿みを出さなければいけない。

 

子供がよくかかるらしいけど

鼻を噛みすぎたりすすりすぎたりすると

耳に細菌感染して大人でもなるみたい。

 

とりあえずその時は

鼓膜を切るのが怖すぎて

自然に破裂するのを待ってた。

(それもそれで怖い)

 

でも体験した事がないほどの

耳の激痛に耐えきれなくなった。

 

ロキソニンを絶え間なく飲まないと

何も手につかないし、

痛い痛いと叫んでしまうくらい。笑

 

だから病院に行くまでは

常に切らすことなくロキソニンを飲んでた。

 

そして意を決して病院へ。

 

案の定すぐその日に鼓膜を切ることになった。

 

鼓膜を切るのに麻酔は

綿に麻酔を染み込ませたやつを

耳の奥に押し込まれて数十分待つだけ。

 

その後、綿を外して手術台へ。

 

私はそこまで痛いのが

苦手ではないと思っていた。

 

でも、あまりの痛さと恐怖に

やられてる時に勝手に涙が溢れてきた。

 

鼓膜を切って膿みを出すわけなので

鼓膜を切る音が直に聞こえてくる。

 

ジョキジョキとかザクザクとかいう音で

しかも麻酔効いてなくない?ってくらいの激痛。

 

そして切った後は

掃除機みたいなので膿みを吸われるんだけど

それも痛みと音の大きさで

もう恐怖でしかなかったな。

 

涙を出したい訳じゃないのに

もう体が反射的に涙を出そうとしてた。

 

看護師さんがやってる間、

涙を拭いてくれて心強かったなあ。

 

正直もう、一生あれはやりたくない。笑

 

そして無事に終わって帰宅。

 

かなり酷い中耳炎だったので

耳がうまく聞こえるようになるには

1ヶ月くらい時間がかかるとの事。

 

そこからがまた辛かったなあ。

 

痛みは手術でだいぶ無くなったものの

耳の砂嵐が消えなくて音が聞こえない。

 

初めて片耳が使い物にならなくなって

どれほどそれが不便なことか思い知った。

 

まず、人と会話をするのが困難。

 

左耳が中耳炎になったんだけど

左側から話しかけられても聞こえなくて

気づかないうちに

下手したら誰かを無視してしまいそう。

 

その頃していたバイトは

飲食店のホールだったので

そこでもかなり辛かったなあ。

 

お客さんの対応に自信が持てなくて

治るまではドリンクを作るのを

主にやらせてもらってた。

 

人との会話で自分の声の音量も

加減がわからないし、

人の声もうまく聞き取れないし

すべてがストレスでした。

 

それもこれも全ては

私が鼻をかみすぎたせい…

 

そして完治した後も後遺症が残りました。

 

左耳の砂嵐は完全には消えず

今でもずっと聞こえています。

 

聴力自体に問題はないけど

寝る時とか静かな時はザーっという音が

やっぱり耳障りで気になります。

 

聴覚過敏の人であれば

凄まじいストレスがかかるくらいには

砂嵐が残ってると思います。

 

私はそこまで敏感じゃないので

気にしないようにすれば

そんなに日常にストレスは感じません。

 

でも、この先の人生を砂嵐と一生

付き合わなければいけないのか…とも時々思う。

 

後遺症が残っている事について

病院で相談しましたが、治らないとの事。

 

私が無知じゃなければ

防げたかもしれないのにって。

 

今でも酷い花粉症ですが

鼻をかむ時は優しく

片鼻ずつかむように心がけてます。

 

あの痛みと辛さはもう経験したくないし

これ以上耳に後遺症を残したくないから。

 

でもこの事があったから

五体満足で生まれてきた事に

感謝をして大切にしないとなと思いました。

 

 

急に失って、

いつもの体はとても快適で

何不自由なかった事に気づいた。

 

 

 あの時の気持ちは

いつも心に留めておきたいと思う。